■伝統ある北海道「りんご」
明治元年、ドイツ人・ガルトネルは現在の七飯町に農場を開き、ここにりんご、なし、ぶどうなどを植えつけました。北海道のりんご栽培の始まりです。
本格的な導入は、明治6年のこと。開拓使がアメリカから75品種の苗木を輸入しました。この中には、我が国の基幹品種となった、「国光」、「紅玉」、「祝」などが含まれており、国内りんご生産の礎となりました。
その後、導入された苗木は、くだものづくりに適した北海道の気候、風土に順調に定着し、たゆまぬ改良や新品種開発などの努力が払われてきました。現在作られている品種は 30 種を超えます。
北海道は昼夜の温度差が大きいので色がつきやすく、肉質が緻密で、貯蔵性の高いりんごが作られています。
■最も古い歴史を持つ「なし」
北海道のなし栽培の始まりはかなり古く、江戸時代、享保年間(1716年〜1736年)に「市渡村(現在の大野町)」に植えられていた記録が残っています。
これは日本在来のものでしたが、西洋なしは明治元年、ドイツ人・ガルトネルがりんごと同じく、現在の七飯町に導入したのが最初です。
その後、開拓使はアメリカから「バートレット」、「ブランデーワイン」など53品種の苗木を輸入しました。現在、この2品種を含む15品種ほどが栽培されており、独特の肉質と芳香を持った西洋なしの栽培が増えています。
■北海道の「さくらんぼ」の作付面積は全国第2位
さくらんぼ(桜桃)の原産地は、中国からヨーロッパ南東部にかけての広い地域といわれています。
北海道での栽培の始まりは、りんご、なしと同じく、ドイツ人・ガルトネルが七飯町で苗木を植えつけたことに始まります。その後、開拓使が「ナポレオン」、「高砂」、「日の出」をはじめ25品種を導入、以来、北海道民に広く親しまれてきました。
北海道のさくらんぼは梅雨による裂果が少ないこともあり、市場での評価が高く、栽培面積は増加傾向にあります。
おなじみの「佐藤錦」をはじめ「北光(水門)」や大粒で食味の良い「南陽」が代表的な品種です。